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聖戦のイベリア / Sound Horizon

聖戦のイベリア/Sound Horizon
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このブログの空白期間中は、こういう物も聴いていました。

このアーティストは、元は同人活動から始まった後にメジャーデビューという経歴であり、また歌詞は物語風であり音楽は組曲的なもの、と中々異色のアーティストです。


同人出身であることや、曲中に台詞が入ったりすることから、先入観から苦手意識を持つ人も多いとは思います。しかし、それだけの理由で聴かないというのは勿体無いアーティストだと思います。


今作で展開されるジャンルで近いのはシンフォニックロックでしょう。組曲風というものを最大限に生かした展開をストリングスの音色が彩り、ネオクラシカルの影響も感じさせるバンドサウンドが支える。こういったジャンルで女性ボーカルというのも上手くマッチしています。

また、ストーリーの展開をプログレのような転調で表しているのも面白い。ロックで戯曲を表現しているようで、今まであまり無かったタイプの音楽だと思います。


ストーリーや台詞も含めた全てが好きになれれば、一番このアーティストを楽しめるのでしょうが、それを除いた音楽だけで十分楽しめるだけの質は提示してくれています。

今作は一応はシングル扱いで3曲だけというのも手軽に楽しめます。アルバムもリリースされているので、興味のある方は一度聴いてみてはいかがでしょうか。

同人というところから、こんな実力派が出てくるというのは面白いですね。


Favorite Song 石畳の緋き悪魔

メロスピやネオクラの影響を受けた疾走感と、女性ボーカルの繊細な歌声の共演が非常に良い。メロスピ好きの方は琴線に触れるものがある筈。


Dear... / タイナカサチ

Dear.../タイナカサチ
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以前、このブログでも何回か紹介した筈のタイナカサチの1stアルバム。2ndアルバムも今年の2月に発売されています。



このブログで取り上げるアーティストにしては珍しく、彼女は特に新鮮味を感じるようなアーティストではない、と個人的には思っています。

何で聴き続けているのかは自分でもよくわかりません。私はポップスには全く興味を無くしている筈なのですが。ただ、実力はあるアーティストだとは思っています。美しい声を生かしたヴォーカリストとしても一流だと思います。



そんな彼女のデビューアルバムが本作ですが、思ったよりバラード以外の曲の出来がよかったのが驚きでした。c/w曲も含めたシングル曲は殆んどバラードで、アルバムを通して聴くのには一抹の不安がありました。

しかし、跳ねるようなリズムが印象的な「アリの夢」や、まさにタイトル通りの「Happy Song」などアルバム曲に絞ればバラード以外の方がツボを押さえた曲が多く、作曲者としての才能を感じさせてくれました。



と言うわけで、今でもたまに聴く作品です。最近はめっきり洋楽に傾倒している私ですが、こういった曲には独特の味を今でも感じています。

芸術性というより、何も考えずに聴けるという魅力を感じます。ポップスというのは元々こういうものだったのでしょうね。



Favorite Song  Symphony of Fate disillusion~きらめく涙は星に

アレンジの勝利。初期のシングル二曲を組曲風に纏めて、更にシンフォニックアレンジを施しています。これが見事にマッチ。力強いクラシック曲となって生まれ変わっています。

ただ、原曲も聴きたかったなー、というのも。




Inhuman Rampage / Dragonforce

インヒューマン・ランペイジ/ドラゴンフォース
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激走、爆走、疾走。そんな言葉がしっくり来る、英国出身のメタルバンド、Dragonforceのサードアルバム。


アルバム一枚ほぼ全てにおいて、疾走し続けるというとんでもないアルバムです。ギターは早弾きを全編に渡って展開し、ドラムはブラストビートを交えつつ、スピード感を演出。ベースはしっかりと屋台骨の役割を果たし、キーボードで味をつける。そして、ハイトーンのボーカルが響き渡る、というまさにメロディック・スピードメタルの良い所だけをこれでもかと凝縮したような作品。

好き者にとっては、愛聴盤となることは間違いなし。飽きるほどに、疾走メタルを楽しむことができます。


凄まじい疾走感の中に、所々工夫も見られます。間奏の演出を工夫したり、ベースソロを展開したり、いきなり転調したり、と。これにより曲がやや長めになってしまっていますが、作品内に起伏が見られるようにもなっています。それでもどの曲も同じ、というような感覚が少し残るのは否めないものの、アルバムを通して聴かせるような工夫を凝らしているのは評価できます。ただ、何処でも言われてるようにバラードはいらなかったかな・・・


メタル愛好家の方は一つコレクションに加えてみてもいいのではないでしょうか。疾走感だけ、に浸るというのも中々良いものですよ。


Favorite Song  Thorough the Fire and Flames

作品内で一番テンションが上がりました。まさにオープニング、という感じも良い。

Suite Season / T.M.R-e

Suite Season/the end of genesis T.M.R.evolution turbo type D
¥1,977
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この、TMR-eというアーティストは、T.M.Revolutionブレイク真っ只中の1999年にT.M.Revolutionを「封印」し、それまでの方向性からほぼ180度転換して活動を行っていたユニット名の略称です。

ちなみに正式名称は「the end of genesis T.M.R.evolution turbo type D」(長すぎ!)といいます。


この訳の解らないアーティスト名や、極端な楽曲路線の変更などもあり、一般的にはTMRの「黒歴史」と評されることが多いTMR-e時代ですが、私は違う意見を持っています。


そのTMR-eの総決算的な作品がこのアルバムですが、個人的にはこの作品はTMR時代の全てを含めても指折りの傑作ではないかと思っています。

収録された9曲中4曲がインストで、総演奏時間が30分強との短い時間の中で、季節の移ろいをシンフォニックアレンジされたバラードを軸として描いた名作。コンセプトアルバムとしての感が強く、曲単位というよりアルバムを通して聴いた方が楽しめるだろう。

収録されている楽曲は、TMR時代からは想像もできないような上品で美しいシンフォニックロック。しっかりと腰を据えて鑑賞する方が楽しめることと思う。


この「聴いて」楽しむ路線変更が多くのファンを失う結果ともなったのだろうが、わざわざアーティスト名を変えてまで作る価値があった作品であろう。

この短さ、シングル以外の新曲は実質2曲で3000円というのは壮絶にセコい販売だとは思うが、一聴する価値はある作品だ。

TMRファンの方にはもちろん、TMRに興味の無い方にこそ聴いて欲しい。隠れた名作です。


Favorite Song  風のゆくえ

シンフォニックアレンジが味付け程度ではなく、しっかりと曲の一部となっていることが一層切なさを引き出している。冬のイメージを上手く作り出しています。

THE MARROW OF A BONE / Dir en grey

THE MARROW OF A BONE(初回生産限定盤)/Dir en grey

¥3,675
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傑作だった「Withering to death」から二年。6枚目となるDirのアルバムが本作です。

本作のタイトルは「真髄」と意訳されるタイトルは、活動10年目というのを意識したのでしょうか。



今作はバラード曲の出来が非常に良いように思えます。狂気と芸術の融合とでも言うべき、美しい旋律に乗せて熱唱、絶叫する様は旋律を感じる。

前作で私が感じたヘヴィやハードさの中にメロディアス、暗鬱、キャッチーさなどと言ったエッセンスも同時に感じさせてくれたあの感覚が、今作でレベルアップしてより一層の感動を覚えました。一曲目の「CONCEIVED SORROW」で今作は傑作であると確信しました。



しかし、これからの他のアルバム曲が「あれ?」と思ってしまう曲が多かった。激しいんだけど・・・何だかあまり印象に残らなかったのです。

私はハードコアが嫌いではないし、別にDirがハードコアな曲を演奏することが悪いことだとは思いません。

しかし今作ではDirがハードコアを「取り入れた」のではなく、ハードコアに「喰われてしまった」と言った印象を私は受けてしまいました。

ただ、収録曲のバラード3曲をアンプラグドアレンジした、初回盤限定のボーナスディスクは本当に素晴らしいと思います。

本編により一層、狂気と美しさが増しており、忘れたくても忘れられない感覚を覚えます。



丁度、このアルバムが発売する前から北米でツアーを行っていた影響もあるのでしょうが、必要以上に海外を意識し過ぎてしまったのかな、と思いました。

海外に目を向ける事は、全く悪いことではないし、上昇志向の表れだとは思います。だからまだ本作ではまだ発展途上の段階なのかな。これが「真髄」では無いとは思います。


本作は私にとっては少し残念でしたが、だからと言って彼らへの期待は全く薄まっておりません。

むしろ、まだまだ彼らに向上心が絶えないことが証明されたことと、この後にリリースされたシングル「DOZING GREEN」が実に素晴らしかったこともあり、次作への期待は高まるばかりです。



Favorite Song  艶かしき安息、躊躇いに微笑み

とにかくラストが凄い。それまでの美しい旋律を自ら壊すような、凄まじい激情をぶちまける。

哀し過ぎるほど狂気と美しさが伝わってくる。

娯楽 / 東京事変

娯楽(バラエティ)/東京事変
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この「娯楽」というアルバムタイトルが、そのまま内容を端的に表していると思う。

その意味ではある意味、名タイトルと言えるかもしれない東京事変のサードアルバム。


今作は、タイトルの「娯楽」の通り、リスナーへの心遣いが前二作よりも感じられます。

バラエティ豊かな内容となっていますし、曲単体でも楽しめるものが多いように思います。何というかリラックスして聴けるものが多いように思え、東京事変に変な敷居を感じていた方もこの作品なら聴けることも多いかもしれません。


が、しかし。悪い意味でも「娯楽」というタイトルが似合ってしまっているようにも思える。

こう言っては誤解を招くかもしれませんが、本当に「娯楽」で、これだけのメンバーを集めてただの「娯楽」の範疇に収まるのは勿体無いのじゃないか?と思ってしまった面もありました。

無論、娯楽が悪いというわけではありません。事実、本作は一流の娯楽だとは思いますし。


ただ、個人的な見解ですが、私は東京事変がここまでリスナーに気を使わなくてもいいのにな。と思いました。

ギリギリの緊張感で作られたかのような「OSCA」、更にキャッチーな面の中にさり気無く入った技巧が気持ちいい「キラーチューン」と先行シングル二枚が対極に置かれてバランスがとれており、アルバムにもそのまま持ち込まれると期待していました。ただ、OSCAのような凄みを感じた曲は「黒猫道」ぐらいで、後は良いんだけど、もう一つ・・・のような何かが足らないように思ってしまいました。


前述のように、間違いなく良質ではあるのですが何か不満が・・・という作品に感じてしまいました。

ただ、やっぱり次も聴いてしまうんだろうなぁ・・・日本では数少ない凄みを感じさせてくれるバンドなだけに。


Favorite Song  OSCA

イントロからカッコ良すぎです。ラストの転調も凄くシビれる。まさに私が東京事変に求めているような曲でした。

ただ、欲を言えばこれを越えるような楽曲がアルバムに欲しかった。

Close to the Edge / Yes

Close to the Edge/Yes
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プログレ四天王とも呼ばれる日本でも人気のバンドYes(ちなみに他のプログレ四天王はKing Crimson、EL&P、Pink Floydです)。そのディスコグラフィの中でも、最高傑作に挙げられることが多いのが本作。


邦題「危機」、のタイトル曲の1曲目が圧倒的な存在感を放っている。

18分を超える曲の長さに驚かされるが、緊張感に満ちた構成が途中で止めることを許さない。完璧に近いシンフォニックロック。使う楽器だけでなく、曲構成もクラシックを連想させる。緩急を織り交ぜて曲を進ませ、中盤でのシンフォニックパート。そしてラスト5分の壮絶な展開。解り易さと芸術性の共存だ。


シンフォニックロックの一つの到達点であることは間違い無い。今までとは違う美しさ。どうやっても同じ美しさを作ることはできないだろう。


Favorite Song  Close to the Edge

ロック好きならいつかは聴いておいた方がいい、と思われる曲の一つ。

美しさも高揚感も兼ね備えている。



FRIENDS / B'z

FRIENDS/B’z
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様々なベストにも収録されている、B'z屈指の人気ナンバー「いつかのメリークリスマス」。それの初出がこのミニアルバムだということを、今ではどれ程の人が知っているのでしょうか。



本作は架空の映画のサウンドトラック、というコンセプトの元作られたそうで。それを意識してか、インスト曲を挟んでいたり、歌詞も失恋ソングに徹底させているなどB'zの中でも屈指のコンセプトアルバムかもしれません。


ロックなB'zは今作ではほぼ完全に封印されているので、そういった曲を求めるファンの方々には辛いかもしれません。

しかし、前述のコンセプトに拘った結果なのか、曲の持つ切なさや叙情性が作品の流れによって引き立てられているようで、アーティスティックなB'zの一面が垣間見られるようです。一枚の作品としての出来が良い。ラストのいつかのメリークリスマスのピアノインストの余韻は素晴らしいものがあります。

フルアルバムでなく、ミニアルバムというのも今作ではプラスに働いているようにも見えます。適度な長さの物語として簡潔にまとめられていて、短篇小説のような気軽さで楽しむことができます。



曲としての出来ももちろん良質で、「いつかのメリークリスマス」を他のアルバムで入手したからと言って、後追いのファンの方々が見逃すには惜しい出来だと思います。

B'zの魅力はロックだけではない、というのがこれを聴けばわかる筈です。



Favorite Song  恋じゃなくなる日

決していつかのメリークリスマスを選んだら面白くないから、とかそういう理由でこの曲が一番好きなのではなく。

失恋の切なさをロックバラードの要素も交えつつ、見事に表現した名曲だと思うのです。

In the Court of the Crimson King / King Crimson

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)/キング・クリムゾン
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1970年代のプログレッシブ・ロックのブームの火種となった、King Crimsonのデビュー作。

このインパクトありまくりのジャケットもあり、余りにも有名な作品となっています。

今更ここで取り上げるようなものではないかとも思われますが、ロックにおいて重要作品であることは間違いないので、筆をとってみました。


プログレ、という音楽ジャンル自体を知らない人も最近ではちらほらいるようでして。

知ってても何かよくわからない、とか難しそうとか感じる人も多いようですが。

それは誤解していると思います。

確かに分かり辛い部分も含まれていることも多いジャンルだとは思いますが、それでもこのアルバムは凄まじいセールスを世界中で記録しています。


想像ですが、気に入った方の多くは今まで聴いた事の無い音楽に驚き、そして気に入った。という他のジャンルと何ら変わらない理由で、聴き始めたように思います。

とかく複雑な曲構成や、精神性だけを魅力として語られることもありますが、根底にあるのはただ良質だから好き。というそういう理由だけでいいと思うのです。かくいう私もあんまり複雑なところまで理解していませんし。


そして、このアルバムは高品質の楽曲群を、個性的に様々なアプローチで我々に提示してくれています。

それなのに、私のような素人でも凄い。という風に簡単に思わさせてくれるのが凄い。

幕開けの「21st Century Schizoid Man」は途中で曲調がガラッと変わる箇所で凄い興奮を覚えますし、ラストの「The Court or the Crimson King」は溜め息を覚えるぐらい美しい。といつも思わされます。


まぁ、難しく捉える必要は無いといいますか。今まで聴いていたのと同じような理由でいいと思う、けど今までの曲とは明らかに違う。という風に聴こえるのが一番凄いところなのだと思います。


Favorite Song  21st Century Schizoid Man

初めて聴いた時は唖然としました。ダルい曲だなーとか思ってたら、ガラッと曲が変わってからのハイテンションっぷりにビックリ。

極彩 / ムック

極彩(通常盤初回プレス)/ムック
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「極彩」の名の通り、一枚のアルバムに多様性を詰め込んだ作りとなっている。

インストに続いて流れてくる、タイトルナンバー「極彩」は凄みを感じさせるようなHR曲だし、「25時の憂鬱」はサイケ感漂う一番→二番での感情の発散とプログレじみたこともやっている。民謡のような「優しい歌」なんかも入っており、アルバムの振れ幅は相当広いと言える。


ただ、その多様性を諸手を挙げて受け入れられるか、となると少し首を捻る点もありまして。

例えば「極彩」から続くヘヴィな「嘆きの鐘」でこちらのテンションを高めておいた後に、一気に明るすぎるパンク「謡声」を入れるのは正直どうかと思いました。

多様性こそ広がったものの、曲の質、という点で見ると「?」と思ってしまうような曲がちらほらと見られるのも個人的にはマイナス。その分、次に期待ととることもできるのですが。


まだ今作では、求める曲が違うファンの全てを満足させるだけの価値を与えられなかったように見られます。こちらがぶっ飛ぶぐらいの名曲が収録されていれば、ハード曲が好きな人もポップが好きな人も、はたまた変わった曲を好むような人、全てを満足させられるものだと思うのです。

その圧倒的な力はこの作品には無いように思えました。良質の作品ととれるとは思うのですが、何かもう一つ、というのが足らないといいますか。


しかし、ラストを飾る「流星」を聴くと、そのような不満も流れ去ってしまいました。

過去の作品群と比べるとムックっぽくないのも事実ですが、疾走しながらも何処か切なさを感じさせてくれるドラマティックなこの曲は、アルバムの締めくくりとしては最高だと思います。

何かラストだけで私は満足させられてしまいましたが、一曲でも名曲が有れば作品としての意義は果たしているともとれます。それだけ、この締めは綺麗でした。


Favorite Song  流星

上で語りつくしました。そんじょそこらのバラードなど比べ物にならないぐらい美しく、儚い。


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