STYLE / LUNA SEA | Sink

STYLE / LUNA SEA

LUNA SEA
STYLE

CDをセットして、まず流れてくるいきなりの実験的なバラード「WITH LOVE」に驚く。おおよそアルバムのオープニングに似つかわしくない浮遊感漂う謎な雰囲気に唖然としている間に、タイムラグなしで続く「G.」で熱狂。さっきの実験的要素は何処へやら、とてもカッコいい疾走ナンバー。おおよその人はこの幕開けでヤラれるでしょう。


この幕開けのように、作品中で際立って目立つのはバランスの良さ。対立する要素を上手く埋め込んでるように思えます。実験的な作風に王道的作風。マニアックな曲調と一般受けもしやすい曲調。疾走感溢れるナンバーにバラードナンバー。とりあえず思いつくのはこの辺りですが、これはアルバムとして素晴らしい要素です。全く飽きないし、ヘビーユーザーからライトユーザーまで多くの人がこのCDを聴いて満足できた筈です。それが絶妙な量と配置で構成されているが故に。


だからこそ、オープニングとラストというアルバムの中でも特に目立つ位置に「WITH LOVE」と「SELVES」という実験的な曲を据えたり、終盤にシングル3曲(「IN SILENCE」だけは後でシングルになったのですが・・・)を固めるといった強気な態度にも出たのでしょう。そしてそれすらも独自性となり、このアルバムの質を上げるエッセンスとなっているように感じます。


このアルバムを聴いていると、ある意味ソロ活動後にLUNA SEAファンになってよかったなとも思います。これをリアルタイムで聴いていたら、恐らく僕は後期の作品は受け入れられないから。後追いで聴いたからこそ、僕は「SHINE」も「LUNACY」もすんなりと受け入れられたのでしょう。それだけこのアルバムの衝撃度は凄かった。


Favorite Song FOREVER & EVER

10分を越える大作バラード。こういう曲聴くとやっぱり彼らはギターが強みだなぁと思う。音の美しさがストリングスに負けてない。ロックバンドはやはりこういうバラードが書けないとなぁ。安易にストリングスに頼らなくてもこんなに美しい表現は出来るのですよ。