朽木の灯 / ムック | Sink

朽木の灯 / ムック

ムック
朽木の灯

このアルバムに詰まっている重さは半端なものではない。ちょっとやそっとの絶望など、これを聴けば逆に吹き飛んでしまうかもしれない。少なくとも一度自分を振り返ってみるきっかけにはなるでしょう。


特に3曲目の「遺書」の歌詞は凄まじい。一体どれほどの辛さを味わえば、こんなフレーズが思い浮かんでくるのかという連続。作詞者のミヤの精神状態を本気で心配してしまった。

そして、ボーカル達郎の熱い歌声が曲の重みを更に増しています。僕は彼の歌声はその辺の上っ面だけ、ただ一生懸命に歌っているだけの連中よりよっぽど「熱い」と思います。上手く言えませんが、絶望を必死に歌うことも「熱い」と思います。少なくとも僕はそう感じました。特に「未完の絵画」や「悲シミノ果テ」などでのボーカルは心を非常に動かされます。そしてラストの「朽木の塔」での彼のボーカルは本当に凄い。何かが乗り移っているようでした。


人生が辛い時に一度聴いてみてください。これだけ重い歌詞を必死に歌い上げる様には何かを感じられるはずです。決してこれだけで変わるほど、甘くはないものでしょう。ですが、きっかけの一つにはなると思います。

万人向けではないですが、これはこれで「名盤」と呼ぶことができるでしょう。


Favorite Song 悲シミノ果テ

Cメロでの達郎の熱唱が特に気に入っています。歌詞と併せて聴くと悲痛な叫びに聴こえて、何とも言えない・・・