MACABRE / Dir en grey | Sink

MACABRE / Dir en grey

Dir en grey, 京
MACABRE

メジャーデビュー2作目。この早い時期に彼らはすでに強烈な個性を手にしていたと言ってよいでしょう。アルバムタイトルのMACABRE(気味の悪い、死を思わせる等の意味)の名のごとく、CDのほぼ全編に渡って何処か近寄りがたく、おどろおどろしい雰囲気の曲と歌詞が展開されています。


それは、不気味なオープニングナンバーの「Deity」からすでに象徴されていると言ってよいでしょう。この先に何が待ち受けているのか微かな身震いすら感じるような重い作品。そしてここから先の展開をそのまま表しているのです。
特に目を引くのは、「【KR】cube」、「ザクロ」など。他にも美しいバラードの「蛍火」など、佳作多し。最近のDirのような破壊的で激しいナンバーはあまり見られません。

また、今作は特に力を入れているようで歌詞にも引き付けられます。全ての曲にサイドストーリーのようなものが設けられており、併せて読んで理解するとより一層アルバムが楽しめると思います。


もしかしたら彼らの中で一番コンセプトを統一して作られた作品かもしれません。どちらかと言えば入門向けよりも、後追いで聴く人向けのような印象もありますが、ファンでいるならば耳を通しておいた方が違った側面が見れて楽しめるでしょう。


Favorite Song 太陽の蒼

ラストに構えるこのアルバム唯一と言っていい、救いの曲。実に爽やかに構成されており、心が浄化されていくようです。ギターの美しいフレーズがフェードアウトして終わっていく様子も余韻があって○。