Suite Season / T.M.R-e | Sink

Suite Season / T.M.R-e

Suite Season/the end of genesis T.M.R.evolution turbo type D
¥1,977
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この、TMR-eというアーティストは、T.M.Revolutionブレイク真っ只中の1999年にT.M.Revolutionを「封印」し、それまでの方向性からほぼ180度転換して活動を行っていたユニット名の略称です。

ちなみに正式名称は「the end of genesis T.M.R.evolution turbo type D」(長すぎ!)といいます。


この訳の解らないアーティスト名や、極端な楽曲路線の変更などもあり、一般的にはTMRの「黒歴史」と評されることが多いTMR-e時代ですが、私は違う意見を持っています。


そのTMR-eの総決算的な作品がこのアルバムですが、個人的にはこの作品はTMR時代の全てを含めても指折りの傑作ではないかと思っています。

収録された9曲中4曲がインストで、総演奏時間が30分強との短い時間の中で、季節の移ろいをシンフォニックアレンジされたバラードを軸として描いた名作。コンセプトアルバムとしての感が強く、曲単位というよりアルバムを通して聴いた方が楽しめるだろう。

収録されている楽曲は、TMR時代からは想像もできないような上品で美しいシンフォニックロック。しっかりと腰を据えて鑑賞する方が楽しめることと思う。


この「聴いて」楽しむ路線変更が多くのファンを失う結果ともなったのだろうが、わざわざアーティスト名を変えてまで作る価値があった作品であろう。

この短さ、シングル以外の新曲は実質2曲で3000円というのは壮絶にセコい販売だとは思うが、一聴する価値はある作品だ。

TMRファンの方にはもちろん、TMRに興味の無い方にこそ聴いて欲しい。隠れた名作です。


Favorite Song  風のゆくえ

シンフォニックアレンジが味付け程度ではなく、しっかりと曲の一部となっていることが一層切なさを引き出している。冬のイメージを上手く作り出しています。